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zoom RSS 「民具、建具、まちの調べ方」拝聴記(その1・民具)

<<   作成日時 : 2007/10/09 17:05   >>

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10月6日に行われた標記の講座は、わが友の会と社団法人日本建築学会関東支部埼玉支所とのコラボレーションで実現した企画でした。
とっても内容の濃い講座でとっても勉強になり、参加した人だけでこの感動を独り占めするのはちょっともったいない気すらするのです。
なので、今日から少しずつ内容のおすそ分けをしていきたいと思います。

第1弾は、日本民具学会の宮本八重子さんによる「民具を調べる」です。
画像

【概要】
所沢飛白(かすり)の製作用具を例に、いまや使われなくなり、語り手を失った民具から情報を引き出す方法を紹介する。

高度成長期の訪れる昭和30年代まで、モノと人間は一体になって暮らしていました。
今はなんでも自動でモノが動く時代ですが、それまでは人間の身体行為と五感を通じてモノが動き、暮らしのなかで役立ってきたのです。
しかし、そんなモノたちも、現在では使う人もいなくなりどうやって使われたか分からなくなってしまったものも多くあるのが実情です。

宮本さんたちは、所沢飛白をつくるためにつかうハコワクという道具の使い方を復元する実演作業を通じて、ハコワクから情報を引き出そうとしています。

ここで大事なのが 実演する ということ。

飛白の模様を作るための工程を言葉にすると、

1 ハコワクに糸を巻く
2 巻いた糸を麻をつかってハコワクの節目の部分で元結で二巻きして結ぶ
3 染めてほどく

というものですが、ここでわかった気になってはいけないのです。

ハコワクに糸を巻くときにはどんな力加減なのか、どのぐらいの強さで麻を結べば綺麗な模様になるのか…など、工程の合間にあるコツ、勘どころ、塩梅なんかを実演によって学び、そこから当時の暮らしぶりを透かしてみようとしています。

ハコワクを使った飛白製作の工程で見えてきたのは、モノと人の距離感です。
写真はハコワクをつかって麻を結ぶ体勢の検討なのですが、ここひとつをとっても
 当時は囲炉裏の灯りを使い、着物を着た女の人が作業していたはず
という推理を元に体勢を割り出しているのです。

つまり、囲炉裏の灯りを手元に集中させるためにはハコワクの置き方は床において自分の影がハコワクにかからないようにする必要があり、着物で作業するには足を閉じて正座する形がやりやすい、と…。

また、驚くことに、こうやって割り出した手の動きや姿勢が、のちの時代に4本枠木の枠に道具が変わっても継承されていっているらしいのです。

道具が便利に変わってきても基本的な人間の動作は習慣化して引き継がれる。
むしろ逆か。習慣化された動作をより快適に行うために道具が進化していくのかもしれません。

面白いです。

そう考えると、現代においても民具の使い方というものが提言する快適な暮らしというものがあるのかもしれないですよね。

民具を調べると暮らしがわかる。

以前斉藤先生の口承文芸の講座でも出てきましたが、民俗学は現代を読み解く方法の一つなんです。決して古いものをただ研究しているわけじゃないんですね。
いかがでしょうか。新しい興味の扉が開いたでしょうか。shimo


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